【初心者向け】在来工法とツーバイフォーの見分け方!在来工法の構造やデメリットやメリットをわかりやすく解説
「在来工法とツーバイフォーって見分け方はあるの?」
「在来工法わかりやすく教えてほしい。」
一級建築士、職人歴10年、宅建士の経歴を持つ『住宅のプロ』である僕が解説します。
家を建てる際に、よく耳にする「在来工法」と「ツーバイフォー工法」。どちらも木造住宅ですが、構造や特徴が異なります。
どちらの工法で家を建てようか迷っている方も多いのではないでしょうか?
この記事では、特に在来工法に焦点を当て、その構造や、ツーバイフォーとの違い、そしてメリット・デメリットを分かりやすく解説します。
これから家を建てる予定の方は、ぜひ参考にしてみてください。
- 家が完成した状態で、在来工法と2×4工法の見分けをつけるのは、専門家でも難しい
- いくつか特徴はあるが、確実に見分けるためには、設計図や構造図を確認する
- 不動産屋か建築士に聞くのが一番!
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在来工法と2×4(ツーバイフォー)工法をわかりやすく解説
木造の建築工法は大きく分けて2つあります。
在来工法(在来軸組み工法)
「木造軸組工法(在来工法)」は、日本の住宅で最も多く採用されている伝統的な木造の建て方です。
日本の木造建築の約8割を占めています。
「木造軸組工法(在来工法)」は、柱や梁を骨組みとし、筋交いや合板で補強することで、建物を支える構造になっています。
柱や梁(はり)を組み合わせて骨組みを作り、その上に壁や屋根を載せていくイメージです。
そのため、大きなリビングにしたい、大きな窓を設けたいなど、あなたの理想の間取りを実現しやすいのが特徴です。
2×4(ツーバイフォー)工法
ツーバイフォー工法は、北アメリカで生まれた木造建築方法です。
家の骨組みを作る木材のサイズが2インチ×4インチ(約5cm×10cm)と決まっていることから「ツーバイフォー(2×4)」と呼ばれます。
正式名称は「枠組壁工法」といい、木材の枠組みに合板を張り付け、床・壁・屋根などの面で建物を支えるのが特徴です。
壁や天井、床が一体となって、箱のように組み合わさっています。
在来工法は、ツーバイフォー工法に比べて、間取りの自由度が高いのが特徴です。
在来工法は、ほとんどのハウスメーカーが採用している工法なんだね。
在来工法とツーバイフォー(2×4)工法の見分け方
家が完成した状態で、在来工法と2×4工法の見分けをつけるのは、専門家でも難しいです。
しかし、いくつかの特徴から、どちらの工法が使われているのかを推測することができます。
天井の高さ
2×4工法は、梁(はり)が細く済むため、天井までが低く、部屋が少し圧迫感を感じることもあります。
在来工法は、梁が太く、天井までの高さが高い場合が多いです。開放感のある空間を作りやすいのが特徴です。
壁の継ぎ目
2×4工法は、 壁の継ぎ目に、幕板と呼ばれる見切り材がついている場合があります。
これは、2×4工法では1階と2階の構造が少しずれるため、そのずれを隠すために取り付けられるものです。
在来工法は、壁の継ぎ目に、幕板がついていないことが多いです。
その他の特徴
ひび割れ: 2×4工法では、1階と2階の接合部にひび割れが生じていることがあります。
壁の厚み: 2×4工法は、壁の厚みが薄いため、壁に手を当ててみると、在来工法に比べて薄い感じがするかもしれません。
家の形: 2×4工法は、箱型のシンプルな形状の家が多い傾向です。
窓の大きさ: 2×4工法では、窓の大きさを自由に設計することが難しいので、大きな開口部はないことが多い。
これらの特徴は、あくまで一般的な傾向であり、全ての家に当てはまるわけではありません。
確実に見分けるためには、設計図や構造図を確認する必要があります。
外壁材や内装材で覆われてしまい、内部の構造が直接見えるわけではないので、専門家でも判断しにくいです。
不動産屋さんかハウスメーカーに直接聞くのが良さそうね。
在来工法のメリット
在来工法は、昔からある建築方法ですが、多くのメリットがあるため、現在でも多くの住宅で採用されています。
間取りに自由がきく
在来工法では、梁や柱が支えているので、間取りに自由がきくことが大きな特徴です。
例えば、大きな窓をたくさん設ける、天井高を高くするなども可能です。
また、壁を取り払ったり、新しい壁を作ったりと、間取りの変更がしやすいので、ライフスタイルの変化に合わせて住まいを変化させることができます。
子供が生まれたり、家族構成が変わったりしても、間仕切り壁の位置を変えたり、部屋の大きさを調整したりすることで、柔軟に対応できます。
将来的に大規模なリフォームをしやすいのは、在来工法ってことね。
2×4工法は、壁が建物の骨組みを支えているため、壁を簡単に壊すことができません。
開口部を大きくとれる
在来工法は、家の構造を自由に設計できるため、「開口部」を大きく取れるのが特徴です。
「開口部」とは、簡単に言うと、建物に設けられた「窓」や「ドア」のような、外と家の中をつなぐ部分のことです。
在来工法では、柱や梁の位置を調整することで、大きな窓やドアを設置する場所を自由に選ぶことができます。
例えば、床から天井までの大きな窓やダイニングの掃き出し窓などを設けたい場合は、在来工法がおすすめです。
施工している業者が多い
在来工法は、日本の住宅で昔から使われている伝統的な建て方です。
そのため、全国各地で多くの工務店が在来工法で家を建てています。
たくさんの工務店があるということは、それだけ、あなたの希望に合った工務店を見つけやすいということです。
「木の温もりが感じられる家にしたい」「地元の工務店で建てたい」など、あなたのこだわりを叶えてくれる工務店を探すことができます。
長く培われた技術を持つ大工さんが多く、信頼できる大工さんに出会える確率も高まります。
在来工法のデメリット
工期が長い
在来工法は、一軒一軒、大工さんが手作業で組み立てるため、完成までに時間がかかることがあります。
木材を一つひとつカットしたり、組み合わせて家を建てていくため、どうしても工期が長くなる傾向です。
また、外壁塗装や屋根工事など、天候に左右される工程が多いため、雨天などでさらに工事が遅れる可能性があります。
ただ、昔に比べて、プレカットと呼ばれる技術が進歩したおかげで、木材を工場で事前にカットし、現場での作業時間を短縮できるようになりました。
在来工法は、以前よりも早く家が完成するようになっています。
在来工法の工期が半年かかる場合、ツーバイフォー工法なら4ヵ月程度でしょうか。
早く家を建てたい人は、在来工法は向いていないってことか~。
建築費用が高い
在来工法では、一枚一枚の木材を丁寧に選び、家を作っていきます。
そのため、大量生産の住宅に比べて、材料費用が高くなる傾向です。
- 木造(在来工法): 平均で800万円〜2,400万円
- 鉄骨造: 平均で2,800万円〜3,200万円
- 鉄筋コンクリート造: 平均で4,000万円〜
在来工法は、ツーバイフォーや規格住宅と比べて工期が長いので必然的に人件費も多くかかってしまいます。
全体的に費用が割高になることがデメリットとして挙げられるでしょう。
施工品質に差が生まれやすい
在来工法は、大工さんが一つひとつ丁寧に家を組み立てるため、大工さんの技術や経験によって、家の出来上がりが大きく変わってきます。
2×4工法と比べて、柱を立てたり、梁を組み上げたりと工程が複雑なので、大工さんの技術力が求められます。
施工先は慎重に検討しないといけないね。
品質が一定なのは、ツーバイフォー工法です。
ただ、パネルを作る工場の差は出るかもしれません。
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2×4(ツーバイフォー)工法と在来工法の比較表
ここからは、2×4(ツーバイフォー)工法と在来軸組み工法を、項目ごとに比較しました。
項目 | 2×4工法 | 在来軸組工法 |
---|---|---|
構造 | 壁で面で支える | 柱と梁で点で支える |
性能 | 断熱性・気密性・耐震性が高い | 自由な設計が可能、歴史と伝統 |
工期 | 短い | 長い |
コスト | 比較的安い | 比較的高い |
昔は、ツーバイフォー住宅の方が、他の家よりも断熱性や耐震性が高いと言われていました。
「在来工法は古い」 というイメージを持っている方も多いかもしれませんが、実は最新の技術を取り入れ、進化を続けています。
日本は地震大国なので、より強い家を建てるために、法律で建物の強度が厳しく求められるようになりました。
そのため、在来工法でも建物に使う金具を改良したり、地震の揺れを吸収する装置を取り付けたりするなど、地震に強い家づくりが各ハウスメーカーごとに進められています。
また、断熱や気密に関する知識や技術が普及したことで、断熱材や気密材の性能が向上し、在来工法の住宅においてもより快適な住まいができるようになっています。
最近の住宅は、性能が非常に高くなっているので、どの工法で作られていても大きな差はありません。
少しコストや工期がかかるけど、間取りが自由なのが在来工法ってことね。
ツーバイフォー(2×4住宅)はやめたほうがいい?2×4住宅の特徴についても下記の記事で解説しているので、あわせてご覧ください。
在来工法とツーバイフォーの見分けるのはプロでも難しい
在来工法は、昔ながらの伝統的な工法でありながら、最新の技術を取り入れることで、より強く、快適な家が建てられるようになりました。
「木のぬくもりを感じながら、地震にも強く、快適な暮らしを送りたい」 という方は、最新の技術を取り入れた在来工法の家がおすすめです。
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